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細工仕事

私は三島とよばれる技法が好きです。

いわゆる象嵌の一種で、赤土で作った生地に、押印したり、線彫りしたりしてできた小さな溝に、白土、あるいは化粧土といわれるものをうめこみ、再び削り取る。そうすることで模様をうきあがらせる、という技法です。

ろくろをひいて、釉薬をかけるだけのものと違い、3つも4つも手間のかかる仕事です。

学生のころからずっとこれは作り続けていますが、奥は深く、やってもやってもなかなか満足のいくものはできません。

粘土の選び方、溝の作り方、化粧土の選び方、施し方、削り取り方、、、etc.

化粧土も、一種類ではありませんから、これまた面白い。

とはいえ、その自己満足に近いこだわりは、なかなかダイレクトに作品に反映されることは少なく、試験だけでおわってしまうこともしばしば。

現在作品として出している三島唐津は、その中でも肌合いが気に入ったもの。

今日も線彫り三島の湯のみの細工仕事を、ただただすわってやっておりました。

まっすぐ引いているつもりの線も、土の中の砂粒がじゃまして、ふらっとゆがんでしまったり、間隔がつまりすぎてしまったり。
それでも、勢いよく、リズミカルに仕事をすることで、全体の仕上がりはすっきりしたものになります。

不思議なのは、機械でひいた線とはまったく違う、と感じること。
プリントされたものは、すぐにわかります。

そこに作り手の勢いがこめられている、それだけのことなんですが。

今回の線彫り三島のゆのみ、どんな方が使ってくださるのでしょう。
よーくみると、少しゆがんだ線にきづいていただけるでしょうか。

庭のさざんかは今がさかり。暦手の一輪挿しにさして。
細工仕事_f0143299_220173.jpg

by 93hossy | 2008-12-14 22:01 | 仕事

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