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なんでもないもの

一輪挿し。数輪挿し。

おいていれば、なんでもない、ただの球状の物体。

ちょっと口をあけて、ぼんやりと宙を眺めているようなその姿。

それのある空間は、ただ静かに時間が流れる。

庭に生えている草花を少しだけ挿してやると、突然存在を変える。

使うことで息をする。

空間は、生き生きとし始め、みずみずしさをもたたえる。

これを実感するとき、器の力は微々たるものだ、とわかってしまう。

だけど作らずにはいられない。

小さな自然を移すための、なんでもない器。

なんでもないもの_f0143299_2336384.jpg

by 93hossy | 2007-08-25 23:37 | 作品の紹介

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