風と緑
2012年 05月 27日
風はいつものように木々の間を通り抜け
花をゆらし草をさざめかす
透明の風はいつしか緑色をまとい
光をきらめかしながらすすむ
いい香りの洗濯物に挨拶し
蝶の航路にぶつかってはひるませる
萩の葉の揺れのなんと柔らかく小刻みなことよ
震えるような揺れに聴こえぬ鈴の音を聴いた
枝垂れ梅の枝も名も知らぬ蔓の葉も
風になぞられ喜びにうちふるえる
窓から入り込み
寝ている子どもの頬をなで
汗ばむ額にひやりと魔法をかける
ほんの数分の出来事に
世界は緑の色を帯び光のきらめきを授かるのだ
風よもっと遠くへ
この爽やかな香りを届けてはくれまいか
もっともっと遠くへ
緑の魔法を届けてはくれまいか
いつも皆の心が喜びに満ち溢れるように
by 93hossy | 2012-05-27 15:09 | 言葉つづり