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ひとは、愛と感動で涙を流すのだ

数日前、近所まで、撮影用の具材を調達しにいったときのこと。

ふとみると、小・中・高といっしょだった、みほちゃんがやってきます。

「あー!ひさしぶりー!」
「ほんとー!」
たあいもないことばを2、3、交わしたあと、みほちゃんがいいだしました。

M「ねえねえ、アラーキーって人の写真展があってるの、知ってる?」
K「ああ、しってるよ。現代美術館で今やってるやつでしょ?」
M「あのポスターね、淳子よ!じゅ・ん・子!」
K「は?淳ちゃん?」
M「そうそう!私ねー、テレビにチラッとあのポスターがでただけでわかったもん!」
K「へええええええ!!!!しらんかった!」
M「ゆかりも、ゆうこも、いってたー!」
K「へー、、、すごいね、みんな。」
M「もう、、、私さあ!誰かに言いたくって!今日は会えてよかったわー」
K「うん!ありがと!まだ行ってなかったよー。行ってみる!」
 「春展、もうすぐだから、時間があったらきてー!」
M「うん、わかったー!じゃあね!」
K「じゃあね!」

淳ちゃんは、小・中・高といっしょだった、お友達です。
小学校のころは、すごく仲良くしてくれました。
中学校では部活動が違い、だんだん昔みたいに遊ばなくなりましたけど。
高校を卒業以来、ほとんど会うことはなく、このポスターにもまったく気づいていませんでした。


現代美術館にのぼっていくエスカレーターの手前に、淳ちゃんはいました。
「アー、淳ちゃんだ。。。きれい。。。」
ポスターの中の彼女は、ものすごくいい笑顔でした。

熊本ララバイ
最初は喜びやエロスやなんでもない日常が幸せに満ちてきりとってあります。
だんだん奥様が弱っていかれる過程。
写真にも影がうってきて、荒木さんの心の中にひろがっていく陰とシンクロしていきます。

食べ物をあんなに生々しく撮った写真は初めて見ました。

この人の中には、いつも、
生と死があって、
生きる喜びを重々知っていて、
わかちあう楽しさを知っていて、
でも、深海の底に静かに降り積もるように死は荒木さんの心の中に沈んでいる。

少し沈鬱な気持ちのまま、
生命のぎらつきをきりとった植物の写真がとりまき、
その先には、人工的にそれを汚して、逃げ出したくなる植物たち
足早にその部屋を通り過ぎると、、、

母子像の部屋にたどり着ます。

入ってすぐ、淳ちゃんの写真はありました。
すごく美しく、たくましく、喜びにあふれる顔。いえ、身体中からそれは放出されていました。

41になって、初めてこどもをさずかったこと。
そのこどもが日々すくすく育っている喜びを感じていること。

素直な淳ちゃんの今の言葉が記されています。

どのモデルの母子も、光に満ちていました。
なぜだか、見ている間に涙がこぼれおちて、とまらなくなりました。


ひとは、愛と感動で涙を流すのだ。


アラーキー、すごい写真家なんだと、はじめて知った写真展でした。

15日(日)まで、熊本市現代美術館でやっています。
どうぞ、光り輝く淳ちゃんをみてください。

by 93hossy | 2009-02-13 18:57 | 日記

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