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旅の覚書・番外編 分とくやま

旅程をたてるのはひとつの楽しみだ。
ここにいこうか、あの美術館ははずせない、、、と、
わざわざうちに来てもらって美保ちゃんとは旅程をたてた。

その日、のどまででかかったけど、やっぱりどうしようか、、、
と飲み込んだことがひとつ。

分とくやまで料理を食べる。

自分にとっては、清水の舞台から飛び降りる、、、くらいの体験。
ううう、、、どうしよう、、、もうすぐ出発もせまっているのに、、、

そ、こういうときに、やっぱり私はこう考える。
だめでもともと。やらないよりやっての後悔!

「あのね、ルーシー・リーを観にいった日、夕食の予定ってないじゃない?」
「そうだね」
「あのね、分とくやまって、麻布にあるんだって。」
「知ってるよ。ふふふ」
「いってみない?」
「よくぞいってくれた!」
「きゃーーーーー!!!!じゃ、じゃ、今から予約してみるからあ!」

心の中では彼女もおんなじことを考えていたことがわかって、
さすが、我が友!と小躍りしながら、緊張の電話。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「とれたよ!!!!!」
「よかったー!!!!」
「きゃーーーーーーー」
(われながら恥ずかしいが、顔は紅潮し、声は明らかに黄色かった)

当日、美術館を早めに見終わったあと、ミッドタウンをうろうろし、
ちょっと早いけど、広尾にいこうか、ということになった。
(住所は麻布なんだけど、電車の駅は広尾が一番近い。)

やっぱり少し早すぎた二人。
F.O.B.COOPをみてみたり、
付近の高校の勉強室(通りから少し見える)をみて「カフェみたい!」と驚いたり。
十分におのぼり気分を味わった。
カフェ・デ・プレには、松田翔太くんと高良賢吾くんがいたっけ。

さ、予約の時間!
ちょっと肩に力の入った私は、緊張しながら店に入った。
モダンな店構え、清潔な店内。
待っていた小僧さんも、ぱりっと真っ白な服をきて出迎えてくれた。

私たちの席は2階。
広い広い一枚板のカウンターの二席。
もうすでに一組お客様が入っていた。

色白の、いい男っぷりの板前さんがご挨拶。
苦手なものなどないか確かめて、お任せ料理のはじまりはじまり。

まず出てきたのは鱧のおとし梅肉添え、ひらめ、レンコン、若竹、子メロン
梅肉には、どうやらもろみをあえてある。酸味だけでなく、ちょっとしたこくが味わえる。
どれも、素材の味を殺さず、最低限の味付け。
歯ごたえは最高だ。

そのあとの料理は、順不同にて書き連ねることになる。(ごめんなさい、ちょっと混同している部分があるかな)

蒸し物。あいなめのしんじょ
だしはすみきって、極薄い味付け。しんじょにちゃんと味がついているので、飲み終わるとちょうど調和がとれるようにできている。

アジの緑酢和え、和風ローストビーフのすし、生姜のてんぷら(えび巻)、ともう一品
このしろを酢で和えたものはよく食べるが、アジをこうして食べたのは初めて。
生姜をまるごと???と多少驚いたけれど、えびの肉が厚く巻いてあり、生姜の辛味とうまくまっちしていて、てんぷらなのに食後あっさりとした感じを受けた。ここにも木の芽で作ったグリーンのソースがかかっている。

カツオ、渡り蟹の巻物、赤貝の黄身味噌がけ、鳴き貝、蛸の子
渡り蟹は、みをほぐし、海苔の上に広げ、中に野菜など少し置いて巻寿司のようにまいたもの。
赤貝がとてもおいしかったのを覚えている。歯ごたえはあるが、噛み切れない、ということはなく、黄身の入った味噌もおいしくいただいた。

加茂なすとあゆのしょうが焼き
加茂なすを器にみたて、骨を見事に取り除いたあゆと角切りのなすの炒めたものを醤油であえてある。
この上に、生のねぎのうすい小口切りと生姜のすったものをのせてある。
すべてをあえながら食べてみた。
関東の醤油なのか、私には少ししょっぱすぎたが、鮎の身のふんわりした加減は見事だった。生くさくもなく、硬すぎもせず。

メイン・鮑の焼き物、肝ソースがけ。生ひじきと胡麻だんごのせ。
なまひじきが磯の香りをただよわせ、濃厚な肝のソースは肉厚の柔らかな鮑とぴったり合う。

穴子ごはん、すいもの、ぬか漬け
土鍋でたかれたごはんは、山椒の実がはいっており、香りのよいごはん。吸い物はごくごく薄味。豆腐とわかめ、たけのこがはいっている。
なんと、帰る際、お持ち帰りできますが、といわれる。
もちろん、旅の途中でなければもって帰りましたとも!しかし今回は丁寧にお断りする。

デザート・季節のフルーツとゼリーよせ
さっぱりとした後口で、今回のしめ。

驚いたことに、さりげなさすぎてひょっとしたら気づかないくらい、あっさりとしたシンプルな味付けが多い。時間をかけて仕込みをされているのだろうが、それを感じさせないさりげなさ。
もちろん、どれも、家で再現、、、、できそうでできないのだ!
素材の素晴らしさを存分に堪能できるお料理だった。

プラス、なによりうれしかったのは、不慣れな女性二人が恥ずかしい思いをしたり、プレッシャーを感じたりしなくてよいみなさんの心遣い。
わざわざ1階までおりてきて、店の外まで見送りに出てくださった板さんに感激。

この店、また行ってみたい。そう思わせる1から10までだった。

(みほちゃーん!お料理、だいぶ抜け落ちてるでしょ?覚えてたら教えてー!!!)

by 93hossy | 2010-06-21 19:02 |

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